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獅子の故郷⑦

  • 2013/08/06 00:42
  • Category: 物語
疾走感は加速してゆく。
はやる気持ちは、坂道を自転車で下る勝を飛び越え、風と同化する。よもや空から下界を臨む神にでもなったかのような気分だ。
「そうだ、これなんだよ」
そう言いながら勢いよく立ち上がった勝は、フリチンであった。
「フリチンで何言ってるんだ、バカ」
佐竹がうるさい。今度こそその先に何かを見いだしたというのに。
扇風機の首振り機能に苛立ちながら考えていたあること。
昔の自分が刻んだ我慢。
それは、現状を打破出来るであろう。
勝は好奇心に身を震わせた。初めての感覚。迷惑の意味を見つけた気がした。
外に出て待っていた寛治がいつかのようにどこかを見つめている。その目に、勝は「悩みはようやくなくなったかい」と言われたような気がしたとかしないとか。
疾走感。
独りよがりでも、その先には何かある。
自転車は坂の下の病院へと向かっている。
モンドセレクション。
今や勝にとって疾走感と同義となった言葉。
突飛な発想で、父の漬け物屋を興隆させる。
それが勝なりの手向けになるのだろう。
モンドセレクション。
「漬け物で…?」
そんな俗っぽい疑問は、この田舎では出ない。
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ほう、ここで繋がるのですね
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  • 2013/08/06 15:23

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